2017年8月15日 - 80

ベイトソン読み返し(精神と自然) その5

■「Ⅴ.重なりとしての関係」について

「1―汝自身を知れ」は、ベイトソンの文脈的にはずれるかもしれないが、ここから意識についてちょっと書いてほしかったなーと(/ω\)トーテミズムの話ももっと膨らませて欲しいwただこの2つと、アブダクションについての記述で、ステップが踏み進められてるなー、いい感じだなーって思う。小並感でさーせん(/ω\)

■「Ⅵ.大いなる確率的過程」について

ベイトソン本人も書いているが、演繹的な検討/議論が続く。合ってるか合ってないのかはっきりいってよく分からん。ただこれまでに積み上げてきたステップの統合に入った感じがある。が、その統合された形はこんなにコンパクトなんだろうか??という印象も持つ。もっと広がりをもった形で展開できたのではないか、と思うというか。ストカスティックプロセスの話は個人的には好きだ。だけどここで書いた事/書こうとした事、ここまでに積み上げてきたことは、繰り返しになるが、もっともっと大きな広がりをもって展開できたことではないのか??という気がする(本人もこの辺を「巨大で錯綜した問題」っていってるし)。これだけで終えたらもったいねえ。それ俺でも誰でもどんどんやっちゃっていいんじゃないのかって思う(*´艸`*)

あるいはこれも「Ⅶ―分類から過程へ」「Ⅷ―それで?」へのステップという事なら、それはそれでいいとも思う。進化についてはここではコンパクトに記述されているものの、上記の様に、なんか進みを急いて広がり/展開を欠いた感もあるので。

■「Ⅶ―分類から過程へ」「Ⅷ―それで?」について

ベイトソンのいうところの「トートロジー」について、あるいは「トートロジーのダイナミクス」の記述。ああ、あなたは(少なくとも)これが描きたかったんですね、って感じ。Ⅶでトートロジーのダイナミクスについてダーッと書いているが、まとめが無いw

けどそれの全体をⅧで「クレアトゥーラすなわち精神プロセスの世界はトートロジカルにしてエコロジカル」「(全体としては)ゆっくりと独りでに癒えていくトートロジー」と語り、またその一面については「死というものはポジティヴな面を持つ」「生と死を繰り返すサイクルが噛み合った上に、はじめてもっと大きな、もっと長く生き延びる生態系が成り立つ」「野卑な物質主義を逃れる道は奇跡ではなく美である※1―もちろん醜を含めた上での美」「私の望みは明晰さにある」と語り、ほんでもって「愛のポイントが何かなんて自問しやしないだろう?」とかいって、「意識、美、聖、それらよりもっと大きい問題」といった、自分の歩みを進もうとしていく。

あーこのオッサンいいなーって感じだ。小並感だがほんとにそんな感じだ。とりあえず読んでよかったし、またこれから自分の考察深めていってからもう一度読みたいと思う。

※1:これは俺としてはちょっと違うんじゃないかと思うが、ベイトソンが楽しそうに書いているので書いときますw

■簡単なメモ

以下、ベイトソンに欠けているのではないかと思ったもの。現時点の俺の意見なので、本当に欠けているのか、俺の考察がずっこけているのか、その両方かそれ以外かは今の俺には分からんw

・同一性への言及(あるいは「差異と同一性」への言及)。同一性が同一性足りえるという幻想がなぜか成立してるから、そこに俺らのようなものの言語ゲームなどが成り立つのでは??みたいな事への言及が欲しかった。

・(上記の様な幻想の成立と関係あるかもだけど)当事者が自己を当事者だと感じる理由(例えば自我あるいは意識が自己を連続した同一の自己だと思い続けるようなメカニズム?)への言及が欲しい。

・描き方が鳥瞰的過ぎるので、このトートロジーを当事者視点で経験したらどうなのか、という記述がほしい。そうなると描かれるものが全然変わるんじゃないかと思う。

・(コミュニケーションが投企的にならざるを得ない理由としての)奥行きあるいは幻想性が発生し得る、という事への言及が欲しかった。

・(当事者から見た場合の)「永続性(ベイトソンのいうトートロジー)」が破壊されるかもしれない、という事への想像は記述して欲しかった。ベイトソンのいうトートロジーは本当に永続的なのだろうか??それは永続的かどうか分からず、生態学的な「死」に晒され得るものではないのか??

等々。全体的に同一性への言及、当事者性が担保される風になる理由、永続性へのある種の不信、の記述は欲しいなと思いました。まあこの辺はベイトソンが描こうとしたものへのステップから逸脱したとこにあるかもなものなので、これをベイトソンに書いてねというのはお門違いかもですが。ただ少なくともこういう視点が組み込まれないが故に、どうもいまいち抽象的でふわふわした感じを受けるのでは。。。とも思いました。まる。

ところで次は精神の生態学読もうかなーとはじめは思っていましたが、今は、次は天使のおそれを読んで、そっから精神の生態学を読もうかと思っています。この辺り読む途中で他の気になる本も読んでいくと思います。とりあえず天使のおそれと精神の生態学が今年中に読めたらいいなーとw

今はだけど、ここで書いた本に加えて、上記の天使のおそれと、ギブソンのアフォーダンス本読めたらと思っています。あとリンク先のリストにある以外の現象学関連本もちょっと読みたい。あとこれとかこれもちょっと面白そうと思ってる。ナラティブとか社会構成主義とかあるんすね(*´艸`*)

メモ / 日々


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